4回目のほこんたけインタビューにご登場いただくのは、
湯川内の樋口英一さん(71歳)。
市議会議員を26年続け、地域づくりに全力を注いでこられたご経験からのお話、どうぞお聞きください。
上早川は農業でもうからなければいけない。みなが住んでいるこの地域で、ここで食べていける(収入を得られる)しくみが必要なんだ。
その手段は農業。昼夜の温度差が大きい、朝露がびっしりできる、この地だからこその本当においしい作物ができる。
昭和45年(1970年)ごろ「このままでは地域が衰退する」という危機意識から「夏秋(かしゅう)トマト」をはじめた。昭和60年(1985年)まで続いたが、ピーク時には2億円の売り上げがあった。標高300メートルくらいのところだと、他にはないおいしいトマトができたんだ。他にもピクルスなどもやってみた。それに農業というのは女性や高齢者も参加しやすい。女性が元気で幸せな地域は活気があるし生き生きしている。
他にも昭和56,57年に地熱開発にも挑戦した。圃場整備のときには数町歩で若者向けのアパートや、移住促進のための宿泊施設を作ろうともした。最近はジビエ活用もやっている。けれど、うまくいっていないなぁ…
---■なぜでしょう?気になる点は?
最近でいえば「結」の精神がどんどんなくなってきていると思う。今は個人で経済が成り立つ。個人主義でやっていける。誰かが困っていたらみんなで助けあう「結」の精神が、昭和40年代以降の機械化で変わってしまった。誰かが何かをやろうとしても助けてくれる人が少なくなった。
上早川には現在沢山の活動団体や組織があるが、名簿を突き合わせてみるといい。同じ人がいくつも役をやっている。決まった人に役割が集中して、その人たちが疲れている。「結」の精神を復活させなくてはいけない。
気になっている点といえば、実は70代以上の世代、老人会世代がこの地域にとって今一番大事だと思う。まだまだ元気で動けるのに、その機会、場所がない。老人会もちゃんと活動できているところが減っている。
直払いの資金を高齢者の活動にも活用しなくてはいけない。高齢者は地域の大切な財産、知恵袋なんだから。女性同様、高齢者が元気で生き生きできなければ地域に元気は出てこないよ。
私は「サンマル運動」と言っているけれど、高齢者が「健康」「仲間」「地域」づくりを楽しんで、月に3万円くらいの収入を得られるしくみがあるといいのだけれど。
---■上早川に今必要なのは?
みんなで集まる場。これが突破口になる。原点である集落の集まりの場、惣代さんや組織の代表が集まる場、みんなで集まる場。本当は集落単位で定期的に(月に一回など)集まれるといい。そこで配布物配ったり集金してもいい。防災や野菜づくり、輪投げでも、何か毎回テーマを変えたっていい。とにかく、みんなで直接顔を見合わせて、本音で話し合い、つながる場が必要だ。
上早川の全部の活動団体、組織のメンバー全員が一同に集う場も時々あっていい。代表者だけでなくて全員。直接顔を合わせて話すことが大切なんだ。そうするといろんな発見がある。上早川全体が一つの傘の下でつながって、本当に必要な体制も見えてくるだろう。公民館には談話室もある、今あるところを使って、みんなで集まってみよう。
早川保育園も小学校も中学校もどんどん子供が減っている。もう上・下なんていっていられない。ここに生きている人たちが楽しく、幸せに暮らせるように、生きる望みが感じられるように。まずはみんなで定期的に集まる場をつくること、そこから始めよう。
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上早川は農業が生きる道。女性、高齢者を大切にすることが地域を元気にすること。結の精神。みんなが直接集まって話せる場が突破口になる。インタビュー中ずっと感じた英一さんの熱い想い、この編集文章でも皆様にどうか届きますように…議会期間中のお忙しいところ、大変貴重なお話しをありがとうございました。 (聞き手・文責:プラン情報班 近藤)
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