2016年12月11日日曜日

【ほこんたけインタビュー】No.003 原百代さん(土塩)


【ほこんたけインタビュー】
フルバージョン(全文掲載版) No.002
※こちらでは配布版「ほこんたけ通信」ではスペースの都合で掲載できなかった内容も含めてご紹介しています♪是非ご覧ください。

百代さん 土塩2016年1201日 上早川地区公民館にて
3回目のほこんたけインタビューにご登場いただくのは、土塩の原百代さん(68歳)。先日の文化祭でも餅つきでの達人的な手捌き・豪快さは多くの人が目にされているのでは。お話お聞きしました。
---■小学校の体験授業をされていますね
10年くらい前から「豆腐作り」「こんにゃくづくり」で市の「なりわいの匠」に登録することになって、いくつかの小学校で郷土料理を教えるようになった。
以前、岐阜大学の教授で荻野先生という「日本のお寿司」という本を書いた方が来られて、笹寿しを作ってみせたことがあるけれど、そのときの先生のお話にとても影響を強く受けて、伝統食の大切さをより実感して、小学校活動にも協力している。
家でも「焼き豆腐」「油揚げ」「もち」「こんにゃく」なんかは毎年作っているよ。
春秋の祭りや夏の水神様を祀るときには、6つのお皿でまずは神様、ご先祖様にお供えをしてからいただく。野菜もナスでもなんでも初物はまずはお供えして、神様、ご先祖様に感謝してからいただく。我が家ではそれが当たり前、そうするものだという感じで続いている。うちは出産も産婆さんにお願いしていたし、昔からの風習が結構残っているね。

---■今は減った風習多い?
畳を叩くのだって、春と秋やお盆前の夏の大掃除のときには、みんなが外の畳を出して叩いていたよ。「あ~今日はあそこの家がやってるなぁ」って。今やってるところないものね。高齢化して大変になったのもあるよね。昔はどこでもやっていたことが今はなくなっているよね。

それと集まりがなくなった。昔は外で畑していてあちこちで井戸端会議になったり。
地域の話合いも、酒のんで腹の底をみせて本音で話し合うこともあった。話がもつれたときなんか部屋を暗くして殴り合って、誰が殴ったかわからないけれど、それですっきり解決ってやりかたもあったんだよ。今は会合があっても飲まないで帰ることも多いし、なんていうか本音でとことん話し合う場がなくなったよね。

みんなが集まる場といえば、運動会みたいに上早川全体が集まる行事も出る人が決まっているよね。でも本当は出ない人も出れば楽しいし、出たいなぁという気持ちは殆どの人がもっていると思う。「出たら足悪いし迷惑かかるし」とか心配したり遠慮したり、なにかひっかかって出ない。あともうひと押しのキッカケがあればいいのに。それは「人の直接の声掛け」のような「人と人との本来のつながり」なんだと思う。「おまん一緒に行くまいかね」という一言で行く人は多いと思うよ。行くときは面倒でも出ればすごく楽しいんだから。
そうそう、おまんた祭りも上早川地区が参加しなくなって結構(6,7年?)たつと思うけど、今でも出たい人結構いると思うよ。だって楽しかったもの。そういうみんなで集まってワイワイする場が減ったよね。

遠慮しているといえば、賽の神もそうだよね。湯川内や越や北山、砂場でやっているけれど、他の集落でもしめ縄や燃やしたいものがあって、持っていって燃やしてほしいなぁと思っている人は多いと思うよ。でも遠慮している。「他の集落のしょうも持ってきて一緒に燃やそうや」と一言言ってもらえたら本当にうれしいし、喜んで行く人いると思うわ~

---■お元気の秘訣は?
お日様の下で働く(体を動かす)こと。お米を食べること。ご先祖様を大事に感謝すること。かな。


---■「これはいい!」と思うことは
みんなが集まる場ということでいえば、私は角間で生まれたのだけど、樋口英一さんのおかげ(グリーンネット)で、毎年7月の第3日曜に角間出身者が集まって草なぎして、神社にお参りして、役員のお家で焼肉したりしている。今年は29人集まったよ。これは本当にいいことだと思う。昔話に花が咲いてみんな若返るんだよ。

上早川は本当にとてもいいところ。人が強く鍛えられるところ。野菜たちの収穫を心から喜べるところ。一言で言えば「出来上がりを喜ぶところ」だと思う。
みんな、一度は上早川を出て外を見てきたらいいんだと思う。それで上早川のいいところが改めて見えてくるんだと思う。
私が中学のころ同級生が116人いた。今上早川に残っている人は6,7人だよ。女性は私入れて4人だわね。どうしてこんなに出て行っちゃったんだろう。上早川は、こんなにいいところないよ。

---■もっとよくなると思うところは?
年配の方々は是非次世代にまかせてみてほしい。地域の集まりでも若い世代が何か云うと「おまえちゃはわかっていない」といって抑えてしまう。80代世代の長老の方々は60代、50代後半の次の世代を信じて、「おまえらに任せるぞ。やってみろ。」といってあげてほしい。集落や地域の集まりでも意識して世代交代していかないと。長老たちは元気なうちに次世代に任せて、若者たちを支援する側にまわっていく、そういうことが大事な時期にきているよね。高齢化は上早川でも大きな問題だけれども、次の世代が育っていけば、上早川はもっともっと良い地域になるよ。何回でもいいたいけど、上早川は本当にいいところなんだよ~

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上早川、伝統文化への限りない愛情、お天道さまの下で働くこと、ご先祖様への感謝、心を揺さぶられるメッセージが続きました。真っ暗にして殴り合う(^_^;)… そして、今やらなければならない世代交代のこと…皆様、いかがでしたでしょうか?百代さん、ありがとうございました!(聞き手・文責:プラン情報班 近藤)

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